巷で話題の「相続税と贈与税の一体的課税制度」

 先月辺りから全国的にコロナウイルスの新規感染者が急速に減少して、ようやく少しづつ普通の生活が戻ってきた様な感じがしますね。

 でもこの2年間の季節的傾向を考えると、昨年程ではないとしても今月後半から年末にかけてまた感染の波が来ることは避けられないでしょうから、もう暫くは個人でできる感染対策をしっかり行っていくしかないでしょうね。

 良くも悪くも今の生活習慣や行動様式にもうすっかり慣れてしまいました。^^;)

 

 そんな中、この1年間でインターネットの記事やyoutubeなどで標題に挙げた「相続・贈与の一体課税」という言葉や解説を随分と見掛けました。

 日頃から相続や生前贈与に関心がある方は内容をご覧になったことがあるかもしれませんが、世の中の多くの方にとっては「一体なんのこっちゃ?」という話題かもしれません。

 

 その発端は、毎年12月から翌年3月にかけて政府が纏めて公表する『税制改正大綱』に3年前の平成31年度から「相続税・贈与税のあり方」として取り上げられ、昨年の令和2年度でも継続して同様の内容が記載されていたのが、今年令和3年度では継続記載されるだけでなく「本格的な検討を進める」という強い表現に変わったことにあります。

 現時点ではまだ何も決まっていないため、詳細の内容やそれに対する個人的見解を述べることは避けたいと思いますが、極めて平たく言うと…

 

●現在、相続税の申告に際しては被相続人が亡くなる直前3年間に被相続人から相続人に対して行われた生前贈与財産を相続財産に加算することになっています(生前贈与加算)が、その加算対象となる期間が”3年”から”5年~15年”に延びるかもしれない!

 

ということで、それによって

 

贈与税の非課税限度額(110万円)を活用して今まで毎年行ってきた生前対策が無駄になってしまう、あるいは今後使えなくなるかもしれない!

 

ということが業界では危惧されていて、そのような情報が今年に入って多数発信されてきたというわけです。

 

 しかし、現時点では未確定な話ですし、令和3年度税制改正大綱が公表された当時、自民党・税制調査会長だった甘利氏(前幹事長)の前向きな発言が制度改正の早期実現(早ければ来年4月以降)の根拠にされている節が一部にありましたが、同氏の今回の衆院選落選と幹事長辞任でそれも少し怪しくなってきました。

 ということでこの詳細・個人的見解については、来年(令和4年)度の税制改正大綱案が公表されて閣議決定の上、国会で了承・決定される来年3月迄のどこかで取り上げたいと思いますので、それまでしばしお待ち下さい。