相続税法改正による影響の詳細が明らかに!

 毎年恒例の確定申告期の真っ最中ですが、必要な申告はもうお済みでしょうか?

 平成30年分からの大きな変更点はありませんが、昨年は地震や台風などの災害が非常に多かったので、家屋や家財など生活に必要な動産に被害を受けられて雑損控除を受けたいという方も多いのではないかと思います。

 還付される税金の額は決して多くないかもしれませんが、少しでも現状回復の一助になれば良いですね。

 

 さて、約20年振りの改正相続税法が平成27年1月1日から施行されて、その課税割合(相続税の申告書が提出された被相続人の数/1年に亡くなられた方の数)が4%から8%に倍増し、相続税の課税対象が大幅に拡大したことは以前このブログでも触れましたし、既に皆さんもご承知のことかと思います。

 また、昨年12月には平成27年に生じた相続に関する調査事績(平成29事務年度)が国税庁・各国税局から公表され、相続税の申告があったものに対する調査件数は前年比で微増、無申告のものに対する調査件数は前年比で25%増と、税務調査の対象も拡大していることが明らかになったところです。

 

 加えて、このほどある税務雑誌の取材で東京国税局における税務調査の詳細が判明し、記事にその要旨が掲載されていました。

 それによると、相続税の申告があったものに対する調査件数の内訳は、相続財産の課税価額が「1億円以上~3億円未満」の層が最も多く1,225件(全体の約39%)、次いで「5億円以上」が782件(同約25%)、「1億円未満」が589件(同約19%)、「3億円以上~5億円未満」が511件(同約16%)であったそうです。

 

 この結果は、以前から言われている「相続税の調査対象になり易い一つの目安は遺産総額が1~2億円辺り」という見方とも整合していますが、ここで注目すべきなのは実は「1億円未満」の層で、他の層がそれほど調査件数に大きな増減がない中、前年比で約58%増と突出して調査件数が増加していることです。

 課税対象が拡大したことによって、遺産総額が1億円未満の層の申告件数も大幅(東京国税局管内では約4倍)に増えましたから、これは当然と言えば当然の結果なのかもしれません。

 

 その反面、この層の実地調査割合は3.3%と前年の7.7%から半分以下に減りました。

 つまり、申告された方のうち約30人に1人が税務調査の対象になっている(以前より調査対象になり難くなった)ということです。

 ちなみに他の層は、「1億円以上~3億円未満」が11.1%、「3億円以上~5億円未満」が31.6%、「5億円以上」が53.1%で、遺産総額が増えるに従って調査対象になる割合も当然に上って、5億円以上の層では実に約2人に1人が税務調査の対象になっています。でも、この傾向・割合は以前からほとんど変わっていません。

 

 これらの数字から言えることは、相続税法の改正によって主に遺産総額が1億円未満の層の課税対象が大幅に拡がりましたが、対象になったからといって決して慌てる必要はなく、「相続人が把握できる範囲で正直に・適正に申告する」ということが大事であって、そうしてさえいればさほど税務調査を心配される必要はないということです。

 とは言え、申告に際しては分からない事も多いかと思いますので、そんな時は迷わず税理士に相談しましょうね。