貸家バブルもついに終焉!

 2015年(平成27年)の相続税法改正の前後から、バブル期を彷彿させるかの如く増加を続けてきた不動産貸付(貸家・貸アパート・貸マンション)もついに終焉を迎えたようです。

 

 以前このブログ(生前対策としての不動産投資は”あり” or ”なし”?)にも投稿した通り、金融資産(現預金・有価証券)を不動産に組み替えることで相続税評価額を相当程度圧縮することが可能になることから、生前の相続対策として3~4年程前から一般の方々にも不動産貸付に対する関心が高まり、不動産業者は勿論、ハウスメーカーや金融機関等もこぞって貸家等の取得・新築、あるいはそのための資金融資を積極的に営業・勧誘してきました。

 その結果、長引く超低金利時代の中、2020年には東京オリンピックを控えるといった経済環境も追い風となって、首都圏では駅前・駅近の高層マンションが即日完売、地方でも一時貸家・貸アパートの建設ブームが巻き起こるといった異例の事態が暫く続いていました。

 

 しかし、当然ながら賃貸不動産にも需要と供給のバランスというものがあって、供給サイド(貸家等)が増えれば賃料は下っていきますし、賃料を下げなければ空き家・空室の状態が将来にわたって続くことになります。

 賃料が下がるか、借手がいなくなれば貸手(賃貸不動産オーナー)の将来収入は減少しますので、投資回収期間が延びて収益率が悪化する、あるいは回収計画自体が成り立たなくなる恐れがあります。

 

 そうなると、今まで積極的に資金融資を行ってきた金融機関も貸付を全額回収できないリスクが出てきますので、新規の貸付は一転して手控えるようになり、既存のものでも状況によっては早期(前倒し)返済を求めざるを得なくなります。いわゆる「貸し剥がし」というやつです。

 実際、地方銀行における2017年4月~6月期のアパートローンの寄与度(貸付全体に占める割合)が前年同期と比較して2010年来初めてマイナスになったことが、先日日銀の金融システムレポートで明らかになりました。

 また、ここ数年高い伸びが続いていた貸家の新設着工件数(国交省調べ)も、それに呼応するかのように今年6月から5ヶ月連続で前年同月実績を下回る結果になっています。

 

 需給バランスから考えれば、今後この傾向が改善・回復することは当面期待できず、長らく続いた貸家バブルもついに終焉を迎えたと考えるのが妥当でしょう。

 ついては、生前の相続対策としてこれから不動産貸付をお考えの方は一旦再考を、既に対策として不動産貸付を行われている方は将来の回収計画、あるいは相続対策全体を再点検・見直しされることをお勧めしたいですね。