”相続手続の簡素化”が5月からスタート

 早いもので今年も1/4が終わり、4月に入って大分暖かさが感じられるようになりました。

 今年の桜の開花は昨年より少し遅いようで、芦屋川沿いの桜並木も今週末ようやく満開を迎えそうです。

 毎年この景色を見ると、ようやく「春が来たなー」って感じがします。一年で一番良い季節の始まりですね。

 

 さて、先月28日、法務省が相続手続に都度必要となる戸籍謄本等の書類を法務局に一度提出すれば法務局から発行される証明書1通で各種手続に代用できる制度(法定相続情報証明制度<仮称>)を5月下旬から開始することを公表しました。

 本制度は昨年から今5月を目途に開始するとアナウンスされていたもので、今回その開始時期を5月下旬にすることが改めて示されました。

 

 従来、相続手続において相続人の方は、

 ●税務署への相続税の申告

 ●相続財産である不動産の法務局への登記申請

 ●同預貯金・株式等の金融機関への名義変更・払戻申請 等

のために、被相続人並びに相続人全員の戸籍謄本等の書類を本籍地の市区町村から必要な都度(最低でも2部)有償で取り寄せなければならず、それだけでも相応の労力と費用がかかっていました。

 新制度によってもこれらの書類は一度は必ず集めなければなりませんし、未だ法務局が発行する証明書によって代用できる手続の範囲が明らかになっていないため確かなことは言えませんが、書類の提出先が従来より少なくなるという点で多少は相続人の方の負担軽減に繋がるのではないかと思います。

 

 ただ本来であれば、昨年から既に導入されている”マイナンバー(個人番号)”を活用して、住民票と同様に戸籍謄本等の書類も各種手続の際にペーパーレスにしてもらえると有り難いのですが、残念ながら市区町村において住民票と戸籍は全くの別物で、住民票とマインナンバーは紐付けられていますが、戸籍とは何ら紐付けがなされていないため叶いません。

 マイナンバーを戸籍に活用・連携させるには制度上の色んな制約があったり、調整に相当の時間・コストを要することは承知の上ですが、これだけ相続が国民一人ひとりにとって身近なものになった今、この領域で真剣に手続簡素化・事務負担軽減を目指すのであれば、更に一歩踏み込んだ省庁横断の制度改革が必要かと私は思います。

 これに留まることなく、今後の政府の更なる取り組みに期待したいですね。