”教育資金”の次は”子育て費用”?

 衆議院選挙が終わりましたね。投票率は過去最低ながら大方の予想通り自民党の圧勝でした。

 ”アベノミクス”の真価が本当の意味で問われることになりますが、永田町・霞が関の議論に終始するのは今度こそ卒業して、早く景気回復を国民一人ひとりが実感できる社会にしていただきたいものです。

 

 さて、懸案の平成27年度税制改正大綱は年内決定を目指して政府内で取り纏めを急いでいますが、その中に盛り込まれる新たな制度の一つとして”子育て費用の贈与税の非課税制度”が議論されているようですね。詳細は定かではありませんが、「祖父母や親が20歳以上の孫や子供に結婚や出産、子育ての費用を贈与する場合、受贈者1人当たり1,000万円を上限として非課税とする制度」になる模様で、受贈者の年限や費用に含まれるものの範囲、非課税限度額などに違いはありますが、制度の仕組みは昨年度から始まった”教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度”と概ね似たようなものになりそうです。

 

 この制度も高齢者に偏っている個人金融資産の世代間移転を促進することが目的なのですが、実現すると来年以降は、

 ①住宅取得等資金の非課税 【H26年・限度額 500万円(最高1,000万円)】

 ②教育資金の非課税 【限度額 1,500万円】

 ③子育て費用の非課税 【限度額 1,000万円】

と生前贈与の選択肢が拡がり、限度額も受贈者一人当たり合計3,000万円(最高3,500万円)になります。更に相続時精算課税まで含めると、贈与した時点では最高6,000万円まで贈与税がかからないわけですから活用しない手はないですよね。勿論、各制度を適用するためには各々要件を満たす必要がありますし、メリットばかりではなくデメリットもありますから、ご自身・ご家庭の状況に応じて上手に賢く取捨選択する必要があります。

 いずれにしても、今後個人財産を次世代に承継・移転する手段が拡充・継続される方向にあることは間違いありませんので、一度はご家族(祖父母 & 配偶者 & 子孫)で真剣に話し合われてみることをお奨めします。