「エントリーシートなき採用」

 先日、日経新聞にこんなタイトルの記事が掲載されていました。

 

 私自身、大学卒業後複数の企業で約30年勤め、その間様々な立場で多くの社員と接してきた経験から、企業・組織にとっての人材の大切さは身に染みて理解しています。

 また、息子が今年これから就職活動を本格的に開始するということもあり、最近は企業の採用活動にも非常に関心を持っていて、このような記事には自然に目が惹かれます。

 

 記事は、「日本のある企業が2015年の新入社員の採用活動からエントリーシート(ES)をやめて、代わりに年齢・学歴・国籍を問わないインターネットを通じたテストに切り替えた」ということに始まり、最後は「市場が複雑化し顧客ニーズも刻々と変化する今、企業も安定志向や横並びの経営を見直して、顧客に近づく(企業自身の)ESの書き換えを迫られている」というものです。

 この記事を読んで私も「正にその通り!」と思うと同時に、本当の意味で将来性のある企業は「こういう問題にいち早く気づき、対処・実行できている企業なのだろうな」とも思いました。

 

 確かに、企業も規模が大きくなれば年間採用人数は数百人、面接人数はその数~数十倍になりますから、一定の尺度が必要になるのは理解できますし、事業が成長・安定している時期であればそれで良かったのかもしれませんが、今の日本で右肩上がりに成長し続け、安定的に事業を経営している企業など数える程しかありません。

 過去の成功や蓄積にしがみ付くのではなく、常に新しい事にチャレンジし続けなければ今や企業の存続すら危うい時代ですから、そこに求められる人材像も「決められた・指示された事を迅速かつ的確にこなす人材」ではなく、「やり方や答えが分からない中でも自分なりの試行錯誤・創意工夫で何とか結果を導き出す人材」に変わらなければならないはずです。

 そういった人材を発掘するためにはどのような採用活動を行う必要があるのか、それこそが企業の将来を担う人事・採用部門の知恵の出し処になると思うのですが、多くの企業は未だに従来通りの採用活動を続けており、その最も典型で活動の入口にあたるものがESというわけです。

 

 来月から2017年3月卒業(見込)生に向けた企業説明会が開始されますが、就活生を持つ親としてはこの記事にあるような企業が今後もっと増えて欲しいものだと思います。